【連載】「忙しい」が口癖になる瞬間|第3回

― 「忙しい人」と「3割で前に進める人」の決定的な違い

同じ環境にいる。

同じように忙しい。

不確実性も、リスクも変わらない。

それでも、

ある人は前に進み、

ある人は「忙しい」と言い続ける。

この差は、能力ではない。

意欲でも、根性でもない。

決定的に違うのは、

何を守って行動しているかである。

忙しい人は「自分の評価」を守っている

「忙しい」を理由に行動を先送りする人は、

実はとても誠実だ。

・失敗したくない

・中途半端に見られたくない

・価値のないことはしたくない

こうした思いが強いほど、

実行は重くなる。

なぜなら実行とは、

結果だけでなく、自分自身の評価を差し出す行為だからだ。

忙しいと言うことで、

その評価を一時的に棚上げできる。

3割で前に進める人は「前提」を守っている

一方で、3割で前に進める人は、

自分の評価を守ることに最優先を置いていない。

彼らが守っているのは、

前提を更新し続けることだ。

・仮説は外れて当たり前

・最初は粗くていい

・やってみないと分からない

この前提を、自分に許可している。

だから、完成度が低くても外に出せる。

失敗しても、人格と切り離して扱える。

完成度を基準にすると、動けなくなる

忙しい人ほど、

無意識に完成度を基準に行動しようとする。

・ある程度まとまってから

・恥ずかしくない状態で

・説明できる形になってから

だがVUCAの時代に、

この基準は実行停止装置になる。

完成度を上げようとするほど、

判断は遅れ、

不確実性は増す。

3割で進める人は「更新」を基準にする

3割で前に進める人は、

完成度ではなく更新度を見ている。

・昨日より一歩進んだか

・仮説が一つ潰れたか

・次の判断材料が増えたか

この基準では、

小さな実行が正当化される。

結果として、

忙しさの中でも前に進める。

忙しい人は「頭の中」で完結させようとする

忙しいと言いがちな人ほど、

実行前に考え切ろうとする。

・あらゆるケースを想定し

・反論を想像し

・失敗の理由を潰そうとする

だが、頭の中での完成は、

現実を変えない。

3割で進める人は、

判断を早く外に出す。

外に出して、現実にぶつけ、

修正する。

差を生むのは「自分への許可」

両者の差は、

突き詰めると一つに収束する。

自分に、どこまで許可を出しているか。

・未完成でも出していい

・外れても価値がある

・途中で変えてもいい

この許可がないと、

人は忙しさに逃げる。

逆に言えば、

この許可さえあれば、

人は3割で進める。

第3回のまとめ

「忙しい人」と「3割で前に進める人」の違いは、

  • 能力ではない
  • 時間の使い方でもない
  • 意欲の差でもない

守っているものの違いである。

忙しい人は、自分の評価を守る。

3割で進める人は、前提の更新を守る。

次回は、

個人の中にある

「安全資産」と「リスク資産」

という考え方を使って、

なぜ一日中忙しくても

前に進まない状態が生まれるのかを掘り下げる。

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